最適地生産 2013 9 21
経済に国境がなくなった現代においては、
もう高度成長時代の夢は忘れた方がよい。
企業としては、世界地図を広げて、
生産活動を行うには、
どの国が最適か考えるようになったのです。
人件費が安いか、
税金が安いか、
治安がよいか、
インフラがあるか。
それを世界地図を見ながら考えるのです。
世界地図の中にある日本は、
こうした条件を満たしているでしょうか。
昔は、つまり高度成長時代は、
こうした条件を日本地図を見ながら考えていたでしょうが、
今は、経済に国境がないので、
世界地図を見ながら考えるのです。
だから日本の政府は、
法人税を引き下げることを考えているのでしょうが、
数パーセント程度下げたところで、それは誤差の範囲です。
その程度の減税では、誰も気にしないでしょう。
もちろん、日本も、シンガポール並みに、
法人税を引き下げれば、世界の注目を集めるでしょうが、
数パーセントぐらいでは、誤差の範囲でしょう。
国を発展させたいならば、税制全体について、
シンガポールの税制を模倣すべきでしょう。
「いや、現状維持でよい。縮小国家になってもよい」と考えるならば、
今のような税制でもよいでしょう。
井の中の蛙大海を知らず。
この言葉は、日本の政治家や官僚のためにある言葉です。
政治家も官僚も、世界を知らないのです。
少なくとも経営を知らないと言えるでしょう。
何度も書きますが、
現代においては、経済に国境がなくなったのです。
そして、企業としては、世界地図を広げて、
生産活動を行うには、
どの国が最適か考えるようになったのです。
もうひとつ加えるならば、
ここ数年、日本にとって、最適地生産からすると、不利でした。
それは、日本国内で、人件費が高騰したからです。
このように書くと、
「とんでもない。私の時給なんか、
この10年間、同じだ」と反論されるかもしれません。
しかし、経済に国境がなくなった現代においては、
自分の時給をドルで換算する必要があるのです。
確かに、時給800円は、この10年間、変わらなかったと思うでしょう。
しかし、それは、時給を円ベースで見ているからです。
ドルで換算すると、時給は、どうなるか。
たとえば、小泉政権時代は、概ね1ドル110円だったと思います。
それが、民主党政権時代は、1ドル78円ぐらいになりました。
経済に国境がなくなった現代においては、
先進国の単純労働者は、新興国の単純労働者と競争となります。
だから、先進国の単純労働者の給料は、上がるどころか、下がるはずです。
それを政治家や官僚は理解していますか。
このような時代には、教育が重要となります。
労働者の生産性の向上が必要となるからです。
にもかかわらず、日本の学校教育は、
そして、文部科学省も、
相変わらず、天下泰平の眠りの中にいます。
日本の教育界には、
「世界と戦える人材を作っている」という気概がありますか。